舌鋒

 

発つに足らぬ言葉が

乳色の線の内側で踏み消された

ごめんなんて言った? いや誰もわからん

変な顔を懸命に歪めて決まった形になっても

君と鉄の区別が今につかなくなっても

そうやって歩くしかないから

すごすぎるものはなくなったほうがいいから

合わない目が空中で戦って

宇宙船の影が自分に重なって

壊せない欠損が降ってきたんです

それに潰されて言葉が死んだんです

僕が一生見得ない景色を君だけが見て

砂漠に埋まる車椅子の化石を掘り当てて

ここに立つことに何の意味もないのに

一段ずつ

一段ずつ