弾んでいる

みんなへ  もう 何も言うなっ   緑の目をした彼女は 女の子なのですから

路上を弾むボールが 駅のホームに続く階段の踊り場で立ち止まり文庫本を読む
その隣でアイスを食べながら 肩越しに覗こうとしたけれど 君の(ボール特有の)美しい曲線に いつも阻まれるのだった
やがてホームには電車が到着し たくさんの人が階段を下りてくる  
肩をぶつけられ 睨まれ 舌打ちをされて 
取り落とした文庫本は蹴飛ばされる その時にも君の曲線は美しいだろうか
君は弾んで何かを答えている