sparta localsの というか安部コウセイの詞はすごいと常々思っていて
1枚目、2枚目は文学的な部分が強く出ていて、
とても暗いことを言っていたりシニカルだったりするのだけど、卑屈でも湿っぽくもなくて、乾いている
捻くれているのにまっすぐで、「まっすぐに捻くれている」としか言えない不思議な感じがある
そういう言葉選びやバランス感覚がすごい、句読点の打ち方ひとつにもそれが表れているし
どこがどう良いのかという説明が難しいので、良い歌詞をひたすら引用します
メロディに乗せる詞として本当にすばらしいと思う
或る時口笛吹いて 空き家の窓 投げ割った音で
俺は白けた心になって 見るともなく見たものは、
並んだ桜。
損得で枯れた貴方の声が紡いだ歌で 大事なものが、
完全に死んだ。
浮かれてる3月に突っ立っているだけで
頭からドロドロと思い出が溢れた
下世話な歌を口ずさんだら、少しの間
春を忘れた。
無理矢理笑い、愉快になると少しの間、
君を忘れた。
/ 春忘却
……………
しかめた顔をして咲いた朝顔に群がる子供等が、
写真を撮った
一眼レンズをぶら下げた
アイツの右手は震えてた。
瞬きなんかはせずに、完全な人を想うんだ
夏の日々が揺れていた 町の角で揺れていた
ぼく等は、まだ歩き続けるさ。
僕の頭にも 君の頭にも
完全な唄よ 流れ続けろ!
/ パーフェクトソング
……………………………………………………………………………(言っていることが良すぎる
初期の詞の多くは情景を描いているというより情景が迫ってくるような感覚があると思います
現実ではあり得ないようなファンタジックな場面が登場することもあるけど、全部想像をさせてくる
罪をかぶった鰻の様に黙りこくって何をしてんの?
青い目が太陽で光った。
うんっと以前にすれちがった貴方に、めちゃくちゃ混むエレベーターで出くわした。
「一年なんかすぐに過ぎるね」 俺は笑ってその場を去った。
/ スロウカーヴ
鰻て歌詞に入れる人いるんかい(言っていることが良すぎる
うんっと や めちゃくちゃ という言葉良いよね
良い…
サラリーマンが昼寝犬の柔らかな腹を蹴り上げた
彼が履いていたローファーは、良く手入れされたゴキブリだった。
時々、言葉が頭から全部消えるよ
僕らが守ってたルールはもう無くて、ふとした瞬間に後ろめたさを感じてる
駐車場に僕は横たわりセンチメンタルを焼いた。
「大丈夫か?」って誰かが言うが、暴力太陽のせいで動けない。
/ バイオレンスサマー
言っていることが良すぎる
貴方も誘えば良かったと今になってそう思った
気取った言葉が溢れて 誰かと話がしたかった外は全て白く嘘みたいだった
力は死んでいる
/ ほたる
言っていることが良すぎるだろ
カラフルな町の中を叫びながら電車は沈んでいった
水かさは どんどん増していて 町を呑み込んだ
貴方は無口に泳いでたんだ
/ サイレント
比喩としての「沈む」とか「海」とか多く詞に出てくるんですがとにかく言っていることが良すぎる
悲しい耳鳴り・セコンドファンファーレは言っていることが良すぎる
ねぇ、でかいビルを見上げたら満月が
とても、とてもレッドカラー
俺の目玉が赤いだけなのかい?
暗い駐車場。寝そべっていると
こだました、ムード歌謡 リラックスすんなぁ
君の事なら一度も忘れた事ないよ
軟弱にも しょっぱい気分
/ 名なしの犬公
三枚目のSUN SUN SUNからかなり曲も詞も趣向が変わってますが、
悲しい耳鳴り→セコンドファンファーレの時よりもさらにダンサブルになって、詞もそれに合わせるように奔放な印象が強くなったと思います
周りの人のスパルタローカルズの印象はこのアルバムの物が強いと思う(この時も良い)
「俺は名なしの犬公さ」と言うのもそうですけど、この人の動物への目線は独特で良い
駐車場で寝すぎ
遠くを見てるようなふりをして君を見てる
君の友達となんかウマが合わないのなんで?
そんな事考えんな 情けない
/ APOLLO
五枚目のまぼろしFORVERに収録されている曲の詞は
素直ーという印象のものが多い、というか
かわいらしさがあるのですが、これもそれがよく出ていて良いです わかるし
番外
今日も苦しそうな 君の眼には何が見える?
ずっと何もなくて 夜を喰い荒らしてた君は
水のようだ
失うものなんか 最初から無かった
今も未来も まるで水のようだ
/ 水のようだ
これは安部コではなくて、梶山さんが作詞作曲で解散直前の曲なのですが、
個人的には初期の安部詞になんか近いものがあって良いと思います
空白
まだ良い詞がたくさんあるんですけど、きりがないので一番好きな詞を最後に
サイレンの音が、はり絵のごとき 町に響く夕刻
くたびれた貴方は作り笑いで バイクに乗って海に沈んだ
沈んじまった。砂の町へと行こうと思う。
しゃれた、まっ白なシャツ着込んだ18時悪態をつきながら乗りこんだ海岸線
簡単にこの海を捨て去ってしまうよ
「本当かい?」
「本当さ」心がなんか痒くなるから口唇噛んでやり過ごしたよ。
時計はずっと18時のまんまで奇妙だなと思った。
何か忘れていた
「ここは何処なんだ!」マンションからの風鈴の音が頭の中でチロチロ鳴いて、
俺は眠ったふりをしたんだ慌てて。
目の裏の向こうは赤い夕日によって、ただれた砂が広がり
そこでは貴方が笑ってた。
その声はピアノみたいだろう
/ 赤い砂
言っていることが良すぎる
全部わかるし
マンションからの風鈴の音(ね)が頭の中でチロチロ鳴いて のところメロディ込みですごすぎるけどみんなもそう思いますよね
言っていることが良すぎるのでおわり